HSPやHSCという言葉が割と市民権を得た結果、タイトルのようなご相談がとても増えました。
断定的ではなくても、「子どもが不登校なのですが、HSCだと思っています。」というニュアンスの相談もとても多いです。
HSCと登校しぶりには関係がある?
HSC(Highly Sensitive Child)とは、HSP(Highly Sensitive Person)の子どもバージョンで、人一倍敏感で繊細な気質をもった子どものことです。
HSPについて、詳しく書いた記事は↓こちら(サイト内記事です。)
◇ 他の子が怒られていても、まるで自分が怒られているかのように動揺してしまう。
◇他の子には気にならないような、音や光などの刺激に敏感に反応してしまい、授業に集中できない。
◇先生や友達の機嫌や感情に振り回される。
◇ひとつひとつの活動や作業にどんな意味があるのか深く考えすぎてしまう。
などがあげられるかと思います。
本人がHSC、HSPという言葉を知らない場合は「なんでみんな平気なんだろ?」という不思議な感覚をもつこともしばしば。
そして、この「なんでみんな平気なんだろ?」という感覚が徐々に劣等感に変わってしまうことがあります。
みんなが平気そうなのに、自分はなぜか耐えられない…。自分の力のなさを、子どもなりに感じてしまうのです。この感覚って、なにもHSCやHSPに限らず、SLD(限局性学習症)とか一部の発達障がいのある人の多くが感じるもののようにも思います。
登校渋りや不登校は自己理解のチャンス!
まず、登校渋りなどのアクションを子どもが起こしている場合は、SOSなどの子どもからのサインだと思うことがスタートです。
小学生や中学生であっても、自分の気持ちを言葉にして伝えたり、自分がどういう状況なのかを説明したりすることは難しい場合が多いです。
そしてHSCやHSPとひとくくりにしても、感じ方はひとそれぞれ、何がその子にとってネックになっているかは一人ひとり違うはずです。
子どもからサインを出してきた場合は、自己理解をすすめるチャンス!
どういうときにしんどいと感じるのか、どこまではOKなのかなどを一緒に考えてみてもいいですね。
しばらく休んだら、回復できる場合も。
例えば、エネルギー0状態になって、一時的に動けなくなってしまっても、安心できる環境にいることができれば、少しずつ回復することができます。
しかし、いきなり子どもが「学校行きたくない。」と言ったら、親はどう思うでしょうか。
だいたいの親御さんは、特に体調不良がなければ少々無理やりにでも行かせようとするのではないでしょうか。うちの親もそうでした。
そうなると、子ども自身は
「せっかく勇気を出して『休みたい。』と伝えたのに親は分かってくれない。」
「自分のつらさが、親には分からない。」
と、親子間に亀裂が入ってしまうことになりかねません。
また、数日なら休ませてくれても、「休み癖がつくのでは?」と、また無理やり行かせようとする親御さんも多いでしょう。
原因がエネルギー切れの場合なら、そのうち行くことができるようになることもあります。
もし、お子さんを観察してみて、HSCの気質があるかも?と思ったら、上手な心の休ませ方を、親御さんから教えてあげるものいいかもしれません。
HSCの子は「なぜかみんなが平気なことが、自分には耐えられない。」と思っていることがあります。そこで、親御さん自身のつらかったことなどをそっと話してあげるだけで、「自分だけじゃないんだ。」と少し前を向けるようになることもあります。
ただ、下心は不思議と子どもに伝わりますので、「なんとか学校に行かせよう。」という気持ちは捨て去ったほうがいいです。笑
改善が見られない場合は…
一緒に現状を整理したり、しばらく学校を休んだりと対応をしても、改善が見られない、もしくは状態が悪くなっているなどの場合は、専門機関に相談したほうがいいと思います。
多くの自治体は子どもの発達に関する相談窓口を持っています。行政機関の場合は相談にかかる費用は無料のことが多いです。
親はHSCゆえの登校渋りや不登校だと考えていても、
◇実は知的発達やSLD(限局性学習症)などの発達の課題があり、学習(内容やペース)についていくことが困難だった。
◇ASD(自閉スペクトラム症)の特性のためコミュニケーションの困難さがあった。
◇DCD(発達性協調運動障害)など、体の使い方に困難さがあり、体育の授業や教室でずっと椅子に座っていることが難しかった。
など、いろいろなケースが考えられます。
HSCに対する対応だけではうまくいかない場合、多くは上記のように発達の課題が隠れていることが多いです。
いろいろな可能性を視野に入れて、お子さんの様子を観察してみてください。
今日のまとめ
◇HSCさんの登校渋りや不登校は自己理解のチャンス
◇エネルギー切れは少し休んでみることも大切。
◇HSCだけにこだわらず、そのほかの可能性も考えてみる。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!^ ^
◇柴ゆきのつぶやき◇
HSPやHSCという言葉を一般の方(?)から聞く機会が本当に増えました。医学的ではなく心理学的な概念であることを考えると、あくまで『自己理解のツール』として用いるくらいがちょうどいいのかな。とも思います。割合的にも5人に1人程度ですし。改めて思うと日本におけるAB型の割合のほうが少ないんだな。これが。笑