教員やめたにも関わらず、今巷で話題の「変形労働時間制」がどのように着地するのか動向を伺っている人は私だけではないはず…!
8年間もお世話になりましたので、学校現場にはそれなりの思い入れというか愛着があります(笑)
もう戻るつもりはありませんが。
世間は冬なんですが、「変形労働時間制」を考えたときに、いまだに「学校は夏休みで子ども来ない間は暇でしょ?」の感覚があるように思いまして、キーボードを叩いている次第です。
世の中がそう勘違いしているのは仕方がないですよね、
だって、大元の文部科学省がそういう勘違いをしているようですから。
そうじゃなきゃ、こんな突拍子もない案は出て来ませんよね。笑
現場の先生は、もっと怒っていいと思います。
とはいえ、私も現職時代は教員の働き方に対して違和感は感じつつも、何も言えませんでした。
現場を離れて見えてくること、「やっぱりおかしかったんだ!」と確信することがたくさんあり、ブログを通して発信しているところです。
さて、今回は、学校の先生の夏休みについて!
結論から言うと、学校の先生に夏休みはありません!!
じゃぁ、学校の先生たちって、夏休み何してるの?って思われる方のために、夏休みの先生たちの仕事を紹介したいと思います。
ちなみに、私は小学校しか経験がありませんので、その辺りご理解いただいて、読み進めていただけるとありがたいです!
怒涛の研修・出張・そして復講
教員で担任を持っていると、普段は頻繁に学校をあけられません。
なので、研修などが夏休みにまとめて開かれることも多いです。
教科の研修や、校務分掌関係の研修などに加えて、初任者なら初任者研修が複数回開かれることがざらです。
ちなみに、初任研では研修後のレポート提出が必須なことが多く、研修が終わってからも気が抜けません。
また、初任者でなくても、研修を受けた後の復講が求められていることも多く、その準備で時間を取られます。
復講っていうのは、自分が受けた研修の内容を、自分の学校の先生たちにコンパクトにまとめて伝えることです。研修によっては、復興必須の指定がされていることもあります。復講用に資料まとめたり、スライド準備することもあり、負担は大きいです。
研修は気分転換になっていいと思うこともあるんですけど、日程によっては、予定していた休みが取れなくなることもあり、夏休み前は勤務表とにらめっこする先生も多いです。
(お盆前とか変な時期に研修が組み込まれることもある。)
実際、夏休み中特別休暇が5日とれたんですけど、学校のサマースクールとか、研修の関係で、その5日の休みすら入れられないというときがありました。
ちなみに、同じ状況になっている先生が他にもいたので、決して珍しい話じゃないはず。
もし、本当に変形労働時間制が導入されるのなら、夏休み中の研修減らさない限りうまく機能しないでしょうね。
これも仕事?祭りの見回り、巡回指導!
これは、学校や自治体によって取り組み方にも差があるかもしれませんが、私が勤務していた自治体では、生徒指導の担当が分担して夏休み期間中に行われる祭りに見回りに行っていました。
学校によって、子どもたちにも祭り参加の決まりがあるわけですよね。
今だに、制服での参加を強制している学校もありました。
あれは、なんなんですかね?管理しているつもりなんでしょうか?疑問しかありません。
あとは、必ず保護者同伴とか、21時以降はうろつかないとか、決まりがあるわけです。
それを守っていない児童・生徒がいないかどうか巡回して監視する仕事です。
はっきり言って楽しくありません。
ルール違反をしている子がいたら、指導しないといけませんので、保護者連絡とか後日指導になることもあります。
つくづく思うのですが、学校外で起きることにまで責任を持たないといけないのはどうかと思うんですよね。
校内研究の授業準備・打ち合わせなど
学校によって、「学力向上」だったり「ICTの活用」だったり、「インクルーシブ教育」だったりと、何かの項目の特化して、研究を行なっています。研究授業は、その研究の仮説を検証するために行います。また、研究発表はその研究の成果を校外に向けて発表する場です。
学校によっては、毎年自主発表という形で研究発表を行っている学校もありますよね。
そういうところは、配布する冊子の準備や、発表スライドの準備、動員のための広報活動などを夏休み中にしています。
資料の準備は結構ネックで、研究主任や管理職のチェックが入り、その度に訂正します。
また、外部に講師派遣をしてもらう場合、打ち合わせに出向きます。
これも、自分の都合だけでは打ち合わせの日程を決められず、気がつくと休みが取れない!ということの原因になることもしばしば…。
校内研で授業をする先生は、加えて指導案や教材教具の準備も必要です。
はっきり言って負担は半端ないです。
校内研究縮小しませんかね?
え?子どもくるの?!サマースクール・プール指導
…恐怖のサマースクール!!
夏休みの宿題を持って来させてさせている学校もありましたし、補習のような形で勉強が厳しい子だけピンポイントで呼んでいる学校もありました。
夏休みなんだから…。潔く休みにすればいいのに。
なぜだか学校現場には「休ませてはいけない。」みたいな意識がある感じがしましたね。
言っときますが、「休む」と「怠ける」は違いますよね。
その辺り、分からない先生も多いなあというのが、私のもっている印象です。
まぁ、そういう感性の方が多い学校では、サマースクールの日数がみるみるうちに増えていきます。
10日ほど行ったこともありますが、夏休みの概念から疑いました。
また、泳ぎが苦手な子を呼んでプール指導をする学校もあります。
となれば、その両方をする学校もあります。(笑)
言いたいことは1つ…
夏休みなんだから、休ませてやれよ!!笑
サマースクールなどの問題は、現場の意識次第で減らすこともできると思いますが、現場には今までやっていたことを「辞める」という決断がなかなかできない管理職も多いのが救いようがないところですね…。
なんででしょうね??
2学期以降の行事の準備!!
◇運動会のダンス選定(場合によってはダンス作成)からの音源作成
◇運動会の種目決めからプログラム・放送原稿作成
◇音楽会の楽曲決めからの練習用音源作り
◇見学旅行や修学旅行の旅行先の選定やアポ取り、打ち合わせ
◇バザーなどのPTA関連行事の打ち合わせ
ざっと思い出しただけで、これだけありました。
単学級だと担任ひとりで全部こなさなきゃいけない大変さがあり、複数クラスだとまずそこで打ち合わせが必要になってしまうというデメリットもあります。
逆を言えば、単学級だと自分の好きなようにできることがメリットで、複数クラスだと役割分担できるというのがメリットです。
どちらも経験しましたが、一長一短かなというのが正直なところ。
夏休み明けると行事が多いんですよね。
しかも一年の中でもメインとなるようなイベントが多い…。
そうなってくると、準備にも時間と手間がかかるのは仕方がないので、教員の業務削減を考えるなら、行事そのものを縮小していくしかないと思います。
先生たちの夏休み、まとめ。
サマースクールなどで子どもたちと過ごしながら、校外に研修に出かけたのちに、合間に行事の準備や、校内研のための指導案作成に打ち合わせなどをこなしつつ、事務整理を行い、休日は夏祭りの補導に駆り出されています!!おかげで、5日の特別休暇もギリギリで、有給消化は夢のような話です!!
こんな実態ですが、本当に夏休みが閑散期だと言い切りますか?
授業がないとはいえ、たくさんの業務を抱えているという事実を把握してほしいです。
今回書いたのは小学校の実態なので、中学校はここに部活動なども入ってきて輪をかけて忙しいのでは、と想像できます。
文部科学省は、本当に学校の実態を把握しているのでしょうか?
働き方改革を言うのなら、業務を見直さないことには根本解決にならないと思います。
今の変形労働時間制への流れは、非常に危険だという思いしかありません。
どうか、最悪の事態になりませんように…!!
今後の動向を見守りたいと思います。^ ^
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
◇柴ゆきのつぶやき◇
教育現場にいていつも思っていたのが、「なぜ増やすのに減らさないんだろう。」ということでした。新しい行事を増やすなら、1つ減らさないと業務は増える一方ですよね。減らそうとしない管理職が多いなぁと。そんなふうに思っていたら、外国語が教科になったりプログラミングが導入されても何も減らなかったので、この考え方はトップダウンなんだなって、変に納得しました。うーん。どこまで増やす気かな?!